『映画ドラえもん のび太の月面探査記』感想ー想像力は未来だ!

『映画ドラえもん のび太の月面探査記』感想 

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前回はネタバレなしの『月面探査記』感想を書きましたが、今回はガンガンネタバレしていきますので、まだ今年の映画を見ていない、という方はお気をつけください。小説版のネタバレもしちゃいますよ!辻村深月さんの原作、とても素敵なので、ぜひみなさん読んでくださいね。

 

追記 この感想文は「月面探査記」をまだ数回くらいしか見ていない時点で書いたものであり、後から読み返してみると自分でも「ん?」と思えるような文章でした。このブログを訪れてくださった方のほとんどが最後の終わり方についての解釈を目当てにしていらっしゃると思うので、この作品を十数回見た今、先に結論を書いておきます。

最後のシーンで、なぜルカくんたちは地球に来ないのか?という疑問が浮かんでいる方が多くいらっしゃるようですが、私は次のように考えています。

 

エスパルたちは、「異説クラブメンバーズバッジ」の効力で、不老不死の力を捨て、普通に成長できるようになりました。これは本来のエスパルではありません。本来のルカやルナ、アルではなくなっているのです。簡潔にいうと、異説の存在、つまり想像上の生き物になってしまったわけです。もちろん、異説クラブメンバーズバッジを持っていない普通の人間には見ることができません。だから月にとどまるのは当然なんです。そして、最後に彼らの平和を守るため、のび太たちは異説クラブメンバーズバッジを捨てました。ルカたちが願いをかけた異説クラブメンバーズバッジは地球上に存在しないのと同じことになってしまいました。のび太たちでさえ、もう二度と彼らに会ったり干渉したりすることはできないのです。二度と会えないけれど、友達だから協力したい。最後のシーンはそんな切ないシーンのはずですが、のび太たちは自分たちの想像力を知っています。ルカたちが確かに月に暮らしていたことももちろん一生忘れないでしょう。だから、のび太たちは月を見るたびに、ルカやルナ、アルの事を想像することができるのです。

 

あと、意外と作中でしずかちゃんが宇宙空間を異説クラブメンバーズバッジなしで歩けてるのはなぜ?という疑問を見かけますが、テキオー灯を直前に使用しているので当然のことです。

 

(※あとこれはあくまでも個人の感想であり、考察のような高尚なものではありません。まだ4回しか劇場で見てない⋅⋅⋅。それに、この作品は長年「ドラえもん」を読んできた人にこそ刺さると思いますので、まだ人生すら20年ちょっとの自分が語るなんてなんだか恐れ多いです。ていうか正直思ったことを書き散らしてるだけなので、まとまりもありませんが、よろしければお進みください。)

『映画ドラえもん のび太の月面探査記』は、想像力(未来)と友情の物語

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「想像力は未来だ!」

 

 

終盤のドラえもんのセリフですが、今回の映画のテーマはここに凝縮されていたように思います。

『月面探査記』は、「月にはうさぎが住んでいる」というのび太(と、昔の人たち)の想像から物語がはじまり、人々が唱えてきた異説という想像を叶える「異説クラブメンバーズバッジ」によって話が展開していきます。

また、ルカとのび太たちを結んだのはのび太の想像力であり(のび太さんの想像力がこの出会いをつくったのよ!と語るしずかちゃん、本物の女神でしたね。)、1000年前のかぐや星の人々が「想像を諦めた」ことによって生まれた"破壊"が敵として立ちはだかりました。

そして、最後にエスパルたちの願いを叶えたのも、かぐや星の人々の異説⋅⋅⋅想像力でした。

 

想像力が出会いを呼び、未来をつくる。『月面探査記』の冒頭で月面探査機がアルを発見しますが、その月面探査機の存在でさえ、人類の想像から生まれてきたものです。

 

「人類の歴史は、異説が切り拓いてきたようなものだよ」

「いつでも会えるよ。僕らには想像力があるんだから」

「いつか月と地球が当たり前に行き来できるその日まで、さようなら」

 

これらは全て『月面探査記』におけるドラえもんまたはのび太のセリフです。

 

今回ののび太、かっこよかったですね!今回、季節設定が秋でしたが、何か関係しているのでしょうか?普段の大長編は春とか夏が多い気がしますし、秋ということはのび太たちも少し成長したところが描かれているのかなあと思います。大長編はいつもそれまでの大長編の小ネタが仕込まれてますし、同じ世界線ですよね?(今回は宝島のボトルシップが置かれてましたね。)これについては完全な憶測ですが。

 

ドラえもん』の友情観

かなり話が脱線してしまいました。

『月面探査記』にはもう1つ大きなテーマがあるのではないかと思っています。それは「友情」です。

作中でのび太がルカと「友達」について語るシーン、(月面レースのところです。)とてもよかったですね。「友達は⋅⋅⋅仲間だよ。友達が悲しいと悲しいし、嬉しいと嬉しい。(うろ覚えです、すいません。)ただ友達というだけで、助けていい理由にだってなるんだ」。のび太らしい言葉で、かなりジーンときました。

のび太の唯一無二の親友といえば⋅⋅⋅ドラえもんです。これまでの長編や映画、普段の『ドラえもん』において、ドラえもんは「子守りロボット」や「ひみつ道具を出してくれるべんりな生き物」ではなく、「のび太の親友」として描かれています。(個人的には『ブリキの迷宮』が1番グッときました。短編だと『さよならドラえもん』が最も有名でしょうか。F先生の原作ではありませんが、最近だと、『スタンド・バイ・ミードラえもん』や『のび太のひみつ道具博物館』がかなり顕著ですね。)

これまで『ドラえもん』を見てきたファンにとっては、のび太が友達について語るシーンで、その向こうにドラえもんの面影やそれにまつわるエピソードを感じることができて、なかなかエモかったのではないかと思います。

ところで、『ドラえもん』の友情観って、かなり独特なんですよね。のび太ドラえもんの関係は、保護者と被保護者のようなものから始まり、やがて兄弟のような、なくてはならない親友のような関係になりました。『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌『ひまわりの約束』には、『ドラえもん』における友情観がかなり凝縮されていると感じます。ドラえもんのび太の関係を紐解いてみると、今回の映画はより面白くなるように思います。

 

『映画ドラえもん のび太の月面探査記』に込められた『ドラえもん』愛

 

ここで、「友情」と「想像力」が繋がってきます。(もちろん、ルカくんたちエスパルとのび太くんを友情で繋いだのものび太の想像力ですが、)ドラえもん自体が人間の(そして、F先生の)想像力の化身であり、未来だからです。ドラえもんが「人類の未来は異説が切り拓いてきた」と言っていた通り、人類の全ての発見や発明は、もともとは数多の想像から生まれてきたものでしょう。

ドラえもん』は、作品自体がF先生の想像力の化身であり、夢のある明るい未来を想像して描くことで、作品が始まって半世紀ほど経った今でも、たくさんの子どもたちに想像力を与えている素敵な作品です。

私たちにとって、ドラえもんが生まれた22世紀は「すこし ふしぎ」な、完全なる想像の世界であり、F先生の手によって描かれた明るく楽しい"未来"です。

F先生の想像力が22世紀の未来やドラえもんをつくり、破壊に逃げずに異説を切り拓いてきた人々の手によって、ひみつ道具ドラえもんがつくられているんです。つまり、のび太ドラえもんの出会いも、想像力の集約といえるでしょう。

この「想像力(未来)」と「友情(出会い)」を繋げる構成は、大のF先生ファンだという辻村深月さんから、F先生への愛のこもったメッセージなのではないかと思いました。考えすぎでしょうか。

 

浮かぶ空想から、また未来が生まれる

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一度、今年の映画『月面探査記』から話を逸らします。

昨年の映画『のび太の宝島』の主題歌である、星野源さんの『ドラえもん』という曲についてです。

個人的に、星野源さんと辻村深月さんのF先生(ドラえもん)解釈がかなり一致しているのではないかと思うのです。

歌詞を載せられないのが残念です。YouTubeに公式の映像がありますし、歌詞も検索すると出てきますので、ぜひ読んでみてください。

 

この曲、全体的に『ドラえもん』への愛に溢れていて好きだし、「すこし ふしぎ」の解釈や友情感もかなり私の解釈と合致するんですよね。

 

「浮かぶ空想からまた未来が生まれる だからここにおいでよ 一緒に冒険しよう」

 

こことか特に、『月面探査記』では!?今回の主題歌がこれだったら最高だったのになと思わなくもないです。

 

『月面探査記』は、往年の『ドラえもん』ファンにこそ愛される作品

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前回のブログで書いたように、今回の『月面探査記』は『ドラえもん』作品としてかなりの出来でしたし、SFとしても一貫していてとても優秀な作品でした。生まれてこのかた、F先生の『ドラえもん』とはテイストが全く異なるオリジナル作品やリメイク作品しか劇場で目にしたことがなかったので、はじめての新鮮な感覚に戸惑うほどです。辻村さんに心から感謝と声援を送ります。

無理矢理感動させにいって泣ける物語をつくり、名作と呼ばれることは多いですが、そうじゃないのになんだかこころが暖かくなる、ドラえもんらしい素敵な映画でした。

 

ここからは、個人的に感動したポイントを語るコーナーです。箇条書きで書いちゃいますね。

 

『月面探査記』の感動ポイント

・月見台小学校にのび太が駆け込んで行くシーン

イチョウの舞い方が美しい!3Dワークを使用しているのでしょうか。映画ドラえもんの作画には毎回脱帽しますが、今回もイチョウや紅葉が舞うシーン、大量のムービットたちのシーンなど、背景がヌルヌル動いていて、もはや感動的なほどに素晴らしい作画でした。どれだけ時間をかけたらこうなるんですか?

 

・子どもたちが「月面探査機に映った白い影は何か」について語るシーン

非常に好きです。これも想像力、ですね。のび太が先生に叱られてからの「ドラえも〜ん!」というお約束の導入も胸がくすぐられました。あと、コミックスでなんか見たことがあるキャラクターたちがチラホラ…。個人的に多目くんはうれしかった!

 

・オープニング

永遠に見てたいほど素敵ですね!昨年はオープニングがなくて残念に思っていたので、復活して非常にうれしかったです。オープニングとしては文句なく過去最高の出来では?オープニングだけでもいいからはやく円盤化してほしいです。あと、平安美女しずかちゃんめちゃくちゃかわいい。

 

のび太くんをドラえもんが馬鹿にするシーン

お約束!原作のドラえもんはかなりシビアで淡泊でシュールじゃないですか。そんなドラえもんが大好きなので、そういうとこを全面に押し出した大長編も見てみたいですね。

 

ドラえもんの解説シーン

地球の自転と公転とか、科学のしっかりした説明が省かれてないところにF先生を感じました!子どもたちに見せるものであることを意識して、そういうところにも手を抜かなかったF先生が大好きなんです。科学ではないけれど、新日本誕生で原作にあった神隠しの実例が省かれていたことはかなり残念でした。すこしふしぎ、だけでなく、純粋なサイエンスフィクションとしてのSFっぽさもあって、かなり重要なシーンなんじゃないかなと思います。あと、異説クラブメンバーズバッジのところの効果音というかバックミュージックというか、かなり好きでした。サントラ買おうかな。なんか少しドラクエ感ありましたね。

 

・月の国を作るシーン

すごいな、と思ったのは、この月の国がルカくんたちとは直接関係してこないことです。オリジナル作品は、のび太たちが全く知らない場所に直接行くタイプのものが多いので。(南極カチコチ大冒険はそうではありませんでしたが)ここには雲の王国みを感じました。実際、①地球②かぐや星関連のどちらにも属さないぽっと出のこの国が最終的にルカくんたちを救うことになるのは感動的ですよね。

 

のび太がうさぎ怪獣みたいなバケモノをつくるシーン

これもある意味お約束。ここは後々襲われるという展開が見えたのも個人的にめちゃくちゃおもしろかったです。

 

・「月の世界のアダムとイブだね。」

←このセリフ!!!!!!!!!!!!すごくF先生っぽい!!!!!!!!!!聖書などの前提知識がないと理解できない、子ども向けアニメとは思えない感じ!!!!!!!!!!!このセリフを聞いたとき、映画スタートから薄々感じてた「これは『ドラえもん』だ!」を確信しましたね⋅⋅⋅。

 

・ルカくん登場シーン

綺麗すぎる。ルカくんの設定、すごいですよね。宇宙に11人しかいないエスパルの1人で、超能力が使えて、暗い過去があって、何者かに追われてて、不老不死で、うさ耳って⋅⋅⋅。小説版には精神も成長しない、みたいな設定もあったし、エスパルの両親の想いや、不老不死であることなどに関して映画版よりも複雑な心情が描かれていたので必見です。

後に語られますが、「月からずっと見てた」地球の風を感じていたと思うとジーンとくるシーンです。かぐや星もきっと昔はこんな星だったのでしょう。

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・お月見シーン

ドラえもんが完全に野比家の一員で泣いてしまった。ドラえもんがパパママと仲良さげに会話するの、すごく好きです。受け入れられてる感、いい。それにしてもパパママ、懐が深すぎます。そして、月を感じるシーンとしてもうまく機能していました。ずっと昔から、人類は月を見上げてきた。初期の宣伝文句の「ともだち歴、46億年。」を思い出します。

 

・ルカくん転校のシーン

ジャイアンスネ夫が相変わらずいたずらっ子で笑いました。小学生ですね。のび太をからかってうさぎのダンスを踊るシーンも。

 

・ルカくんが走るシーン

小説版においては後のある決心につながる重要なものとなっています。小説版⋅⋅⋅読もうね!

 

・ルカくんがのび太を見つけるシーン

「あの子なら⋅⋅⋅(月のコロニーを信じてくれるかも?)」というところ。ルカくんが「友達」という概念を知らなかったことを考えると、直訳すれば「あの子なら、僕と友達になってくれるかも」ということなんでしょうね。1000年も月にいて、無意識に寂しかったんだろうなぁ。

 

・ムービットたちの国

のび太ドラえもんが作った生命が自由意思で国みたいなのを作って、家族を形成してるのなんかめっちゃ好きなんですよね。子どもと奥さんを守るムービット、可愛い。ノビット可愛いし、最初かわれていたあべこべ道具が解決の糸口になるところはさすがだなと思いました。月の王国もかなり素敵!子どもたちが「あったらいいな」と思えるような可愛らしい国で、私も行きたくなってしまいました。

 

のび太の部屋に忍び込むルカくん

なんかかわいい。モゾ、かなりいいキャラクターですよね。ドラえもんのマスコットキャラの中では1番好きかもしれません。ところどころ童話がモチーフになっているところもドラえもんらしさだと思います。今回は『かぐや姫』に『ウサギとカメ』と、盛りだくさんでした。ママがのび太におやつを用意して待っていましたが、最後の方のルカくんのセリフ「準備⋅⋅⋅のび太のおやつと一緒だね!」につながると思うと深いシーンです。ルカくんが抱えていたわだかまりが溶けるシーンの補助になる重大シーンの1つですね。

 

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この辺で、観ている側としても「ルカくんは一体何者なんだ⋅⋅⋅!?」という気持ちがかなり強くなってきたのでは。個人的には、空き地で「ぼくもつれてってよ」とのび太に声をかけるルカくんのシーンで最高潮でした。ゴダートとかエスパルとか、何の説明もないのに出てきてわけわからんやったわ。

 

・月の国へ

のび太がルカの手をひっぱってるのかわいい!

ドラえもんが神として崇められるのもそこそこ定番ですね(笑)。うさぎ王国のシーンかわいいよー!おなじみ合唱シーン。そそれそれそらうさぎのダンス、頭から離れないです笑

 

ジャイアンの俺様シーン

スネ夫をぶんなぐるところですね。映画のジャイアンは普段と違ってかっこいいと言われがちですが、個人的には、ジャイアンはいつもの通り自分勝手だけど、信念が強いので、映画版だとそれがかっこよく見えるだけだと思うんです。そんなジャイアンの性格がよく見えるシーンで、個人的にはお気に入り。

 

ドラえもんが異説クラブメンバーズバッジについて解説するシーン

うさぎ怪獣が突入するシーンもタイミング完璧!ルカくんはここに残ってて、と言ってムービットたちを助けに入る5人、かなり手慣れていますね。やはり季節が秋なのは関係してそう。こんな中でも、のび太がノビットを1人で助けにいくところ、とてものび太らしくて好きです。のび太、長編で離脱しがちだよね。

 

・ノビットを助けに行くのび太

のび太は、どれだけ無謀でも、友達を助けに行く勇気を持っています。そういうところが本当に好きです。いつかドラえもんも言っていましたが、勉強も運動も何をやらせてもダメだけど、いいやつなんですよね。

 

のび太のバッジが外れるところ

無音演出めっちゃ鳥肌立ちました。もう子ども向け映画じゃないよこんなの。

 

・わすれろ草のシーン

しずかちゃん、すごくかっこいい!さすがの勇気と行動力と強さです。しずかちゃんは往々にして完璧で、憧れます。これからはみんなと仲良くしなきゃダメよ、というセリフにもしびれました。いつも思うけど、ドラえもんよりひみつ道具を使いこなしてますよね。

 

ドラえもんが「壊れてお詫びします」と自分を破壊しようとするところ

想像を諦めて破壊に行ってるのを体現してて笑いました。ドラちゃんかわいいよ。このシーン、GIF画像とかで欲しいです。足元に気をつけてって言って自分がコケるとこもね(笑)!本当にポンコツ!すき!

 

エスパルのコロニーへ

ここでやっとルカくんたちの正体を知ります。ルナちゃんやアルも登場。この時点で映画開始から大体半分くらいですかね?ドラえもん映画にしては結構後半の登場なんじゃないでしょうか。ルナちゃん美少女。登場シーンでスネ夫が照れてジャイアンの後ろに隠れてるの超かわいい。さっきからかわいいしか言ってない。個人的に、赤髪でほほを染めているエスパルがとても好み。あと、アルの舌足らずな話し方、好きです。

 

のび太、家族について語る。

ドラえもんのこういうところについては賛否両論あるだろうなーと宝島のときも思ってました。無条件で家族を神聖視できるのは、のび太はたまたまいい両親に恵まれたからかもしれません。でも、小学生ののび太の率直な家族観にほっこりしてしまいます。世界中、そんな幸せな家族だらけになるといいですね。それはそれとして、ルカくんたちの気持ちに寄り添うのび太、かなり主人公感出てました。

 

・しずかちゃんが「のび太さんの想像力がこの出会いを生んだのよ」みたいなこと言うシーン

まじで女神か何かかと思った⋅⋅⋅。映画のしずかちゃんは本当に強くて憧れます。

 

・月面レースのシーン!!!

何もかも好き!!!!!ここだけ見に劇場通えるレベル!!!!!!!このシーンは、のび太とルカくん、アルとジャイアンスネ夫が友情を感じるシーンであり、ノビットのあべこべ道具紹介シーンでもあり、モゾが超可愛いシーンでもあり、盛りだくさんです。のび太とルカくんのターン、最初らへんでかいたように、のび太の友達観を知ることができて大変貴重でした。この映画、のび太くん全然成長しないんですよね。最初から完成した人物として描かれてる。のび太くんに感化されてルカくんたちが動いていくところ、往年のドラえもんファンとしては涙が出そうでした。アルが超能力を使うシーンの表現力はさすがです。あと、なんでもないことですが、こういうときにドラえもんがしずかちゃんと組むの尊くないですか?気遣いが垣間見えるぞ〜!

 

・ゴダートたちから逃げるシーン

ルカくんがルナちゃんを助けに戻れないようにエーテルでレースカーを操作するシーンや、「友達だからさ!」って言ってどこでもドアを閉めるシーン、直前にのび太から得た友達観をヒントに行動してるのだとしたらかなり切ないですね。問答無用でいいシーンでした。

 

・気球に集まるシーン

話題になった映画ポスターの場面ですね。みんなかっこいい!スネ夫って、1番一般的な考え方を持ってる子だ思います。普通、帰ってこれないことを知ってて、会ってちょでとの友達を助けに行く人なんてほとんどいませんよ。のび太としずかちゃんとジャイアンドラえもんはかなり正義感マシマシなので、この辺ブレずに人間らしいスネ夫が大好きです。映画ポスターにあったように、「大人のふりが上手い人が大人なだけだよ。」とここで考えていたのだとすれば、それこそ少年らしい葛藤が垣間見えてなんかいいですね。ぼくは愛を信じる、って言ってましたし、ルカちゃんが原動力になってたと思うとぐっとくる。このシーンで月が見えるのも素敵な演出です。

 

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・しずかちゃんのお風呂シーン

ノルマ達成って感じした。

 

・かぐや星に向けて出発だ

しずかちゃんが人の手当を任せられて危ないところから遠ざけられるのに、結果的に超重要な役割を果たすところ、F先生のヒロイン観を感じてかなり好きです。『鉄人兵団』や『日本誕生』でも見たなあ。「さすがドラちゃんの道具ね!」もお決まりのセリフですね。

 

・ゴダートとルカくん関連

⋅⋅⋅なんと言ったらいいのかわかりませんが、ルカくんの気持ちを考えると色々複雑でした。書いてるとおそらくめちゃくちゃ長くなるので割愛しますし、小説版に詳しいのでとりあえず読んでください。(n回目)ルカくんの声優さんの表現力が本当にすごいなあ、とだけ言っておきます。

 

・ディアパレスのデザイン

すごく好き。平安時代じゃん。これに関してはドラえもんは特に関係なく、個人的に平安時代が大好きなのでとても嬉しかったです。かぐや星の廃墟感もすごい。ドラえもん、たぬきになっとるやん。

 

・ゲスト声優

非本業声優枠の中では、お笑いタレントの2人が上手でした。のび太のパンツとかが脱げる間抜けなシーン、いい清涼剤になってたと思います。難しめの話で全体的に子ども向けという感じがしませんでしたが、ここは子どもたちみんな笑ってたよ。やっぱり今の子どもたちに未来への希望や想像を与えるのが『ドラえもん』のいちばんの役割だと思うので、子どもたちが楽しめるのは嬉しいです。

 

・しずかちゃんなんでバッジ外して喋れるん?

ていうか、『鉄人兵団』のときもそうですが、しずかちゃん天才ですよね。ただただ頭と要領がいい。永遠のヒロインです。

 

ジャイアンスネ夫

スネ夫ジャイアンの戦闘における「ここは俺が抑えとくから!」ポジションめっっっちゃ好きです。スネ夫、こういうとこでもちょこちょこ人間らしさが垣間見えてていい。ジャイアンは本当にいつも通りですね。

 

ディアボロの正体

ディアボロがAIで、想像を諦めた人々の手による破壊の化身とは⋅⋅⋅!『ブリキの迷宮』かよ⋅⋅⋅!?ドラえもんというロボットが主人公でありながら、機械が悪役になることがあるドラえもん、一歩間違えたらだいぶブラックですよね。大体は「ドラえもんのび太の親友ポジション」という落としどころがあるのも本当によくできてるなあと思います。

 

・最期の言葉

これみんな言うと思うんですが、のび太が「オシシ仮面の最終回まだ読んでないよー!」っていうところ、とてつもなく"のび太"ですよね。スネ夫のママーー!!!もそうですけど。こんな時でものび太のび太だなあ、と思います。

 

・戦闘

いつもの!おなじみ!わちゃわちゃ戦闘シーン!かなり明るい戦闘シーンで、未来を感じられて私は好きです。しずかちゃんまじ女神。ムービット可愛すぎん?

一段落ついたあとで敵が覚醒するのもお決まりですよね。のび太とルカくんの共闘、エスパルたちの必死さ、助ける対象にルナちゃんだけでなく地球も含まれることを考えると感動しました。のび太たちは何回地球を救うんですかね。今のところ少なくとも39回かな?(笑)

 

・解決シーン

桃太郎印のきびだんご、ドラえもんファンなら言うことを聞かない動物に対して真っ先に使いたくなる道具ですよね。それが冒頭で品切れしてて、最初に忘れろ草が使われたところ、上手いなと思いました。ピッカリゴケについても同じく。ルカくんたちがずっと気がかりにしてた両親のこと、1000年も時が経ってしまったけれど、その想いを知ることができて本当に良かったなあと思います。

ここでルカくんたちがかぐや星に残らないところには、F先生っぽさというよりも辻村さんっぽさを感じました。小説版では以下略。結局は月に住むというところも、「のび太のおやつと一緒だね」につながる言葉も、心に染みました。ルカくん、良かったね⋅⋅⋅。

 

・異説で始まり、異説で終わる物語

構成の素晴らしさに脱帽です。不老不死を羨ましがるスネ夫らしい言葉も、限りある命だから頑張れるというルカくんの言葉も、魂がこもっていたと思います。小説版にある、地球でかけっこするシーン、映画でも見たかったなあ。

 

・別れのシーン

別れを切り出すドラえもんと、素直にそれを受け入れるのび太⋅⋅⋅。他の長編と比べて最ものび太の成長を感じたのはこのシーンです。ルカくんに「楽しかったね」と語りかけるのび太、大人。。。!のんびりとしていて、優しくて、バッジをなくしたとしても「きっとまた会える」、「いつか月と地球が当たり前に行き来できる日がきっと来る」と信じる純粋さに惹かれました。

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いいシーンですよね。

 

・バッジを埋めるシーン

昼空に浮かぶ白い月。いつかの再開を期待させるような、素敵なシーンでした。わたしも、彼らが成長してまた出会えることを信じています。

 

改めて、素敵なSF映画でした。ありがとうございます。

 

 『月面探査記』、何回でも見に行きたい…!

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驚くほど全く関係ないんですが、レイトショーを見に行こうとしてギリギリ間に合わなかったことがあって、そのときムシャクシャした勢いでクレーンゲームやったらさくらドラえもんゲットしました。大きくて可愛いです。大事にします。

 

好きな映画の動員数を気にするオタク

ところで、今回の映画、1週目終了時点では『宝島』よりも動員数が少ないです。

 

この原因として、

 

・いつもは6月頃にタイトルを発表し、そこからガンガン宣伝をしていたが、今回はタイトル発表が10月までずれ込み、宣伝をする期間が短かった。

・昨年に関しては、星野源さんの楽曲『ドラえもん』による動員数のブーストが少なからずかかっていた。

 

ことが挙げられるでしょう。ゲスト声優、ましてや本屋大賞直木賞を受賞し一般的な知名度が高い辻村さんが脚本を担当したことによる影響はあり得ませんし、初動においては内容も関係してこないので、この2点が大きいと思います。実際、Googleの口コミによるこの映画の高評価は3月10日現在94%で、昨年の91%や一昨年の87%を上回っています。

 

個人的には、今後も辻村さんに脚本を担当してほしいほど(人気作家さんなのであり得ないですが)素晴らしい映画だと思っていますので、これから伸びていけばいいなと考えています。

 

(リニューアル後1番好きな『鉄人兵団 はばたけ天使たち』は、東日本大震災の影響もありますが、かなり動員数が落ち込んでてショックでした⋅⋅⋅。)

 

 来年の『映画ドラえもん』も楽しみ!!

来年の映画予告出ましたね!来年は記念すべき映画40作目です。

『人魚大海戦』から10年も経つんですね⋅⋅⋅。

記念すべき40作目は、30作目の『人魚大海戦』がオリジナルだったことを考えると、またオリジナルである可能性もありますが、もしそうでないとすれば、『竜の騎士』リメイクでしょうか。

昨年と一昨年の動向を考えると、また人気作家さんによるオリジナルの可能性は捨てきれませんし、それも楽しみではありますが⋅⋅⋅、久しぶりにリメイクも見てみたいです。

 

予告の段階から3Dワークを使用したダイナミックな作画で期待が持てそうですね。とても楽しみです。今回は宣伝いつからになるんでしょうか?2010年代後半の興行収入は目覚ましいものがありますし、汚い話お金はたくさんあると思うので、全力でやってほしいです。(謎の上から目線)

 

最後に。

『ブリキの迷宮』のリメイク、いつまでも待ってます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 以上、『月面探査記』の感想でした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

次回は、前回「次は舞台挨拶感想」と言っていたのにまだ書いていないので、そのへんに触れつつ『月面探査記』のもう少し深いところまで言及できたらなと思います。

レイトショーが都内でははやくも終わってしまってさみしいです。

それでは。