アニメ「殺戮の天使」を観ました。

アニメ「殺戮の天使」を観ました。

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なんだこのアニメ。

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「殺戮の天使」を観ました。登場人物が全員サイコパスで戦慄しました。もともとフリーのホラゲとして非常に評価が高い作品ですし、数年前にプレイした記憶はあった(し某実況者の実況も見た)のですが、改めて映像化されたものを観ると、マジで気が狂ってますね。

「殺戮の天使」、またの名を「金満ビルと6人のサイコパス」、絶対にあなた好みのサイコパスがいると思うので、ホラーが大丈夫ならぜひ観てほしいです。私は11話あたりで挫折しかけましたが、友人と観ていたこともあり完走しました。まともな人間なのでグレイの心情が理解できないです。

以下、6人のサイコパスの紹介をしてみるので、殺戮の天使を知らない方はお好きなサイコパスを探してみてください。ネタバレに関して配慮はしていません。

最後に最終回の考察もしてみました。

 

「殺戮の天使」金満ビルに登場する6人のサイコパス

【殺戮の天使】B5Fの劇場型サイコパス【ダニー】

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あえてダニー先生(以下親しみを込めてダニカスと呼びます)をトップバッターにしました。個人的にダニカスみたいなサイコパスが1番苦手だからです。苦手なおかずは最初に食べる党に所属しているので…。

自分とレイ(の目)(と見せかけて母親)しか見えていない、異常なほどの執着と自己陶酔的な話し方、気味が悪いです。執着という点ではエディのそれと同じですが、どこまでも欲望に忠実で大袈裟なほどに自分本位なので、より粘着質なサイコパスになっているんだと思います。倫理観がズレているというよりも、ダニカスの中では圧倒的に自分だけが主人公だからこそ、何をやっても許されると思っている、そういう意味で劇場型のサイコパスだなと思いました。劇場型サイコパスは2次元ではあまり珍しくない存在ですが、みんな総じて無駄に知能が高くて厄介ですね。このタイプから知能を抜いたら、ただのおっちょこちょいで自己中なバカになってしまうので残当かもしれない。

ゲーム版を初めてプレイした時から、「絶対B5Fでダニカス死んでないだろ…」と思っていましたが、ものの見事に最後の最後まで厄介な悪役ポジションを貫いてくれました。生命力っていうか執念強すぎ、最後のほうとかゴキブリにしか見えなかった。「患者の死んだ目を見たいからカウンセラーになった」っていうのがまあもう狂ってるんですが、最期に幻覚を見てちょっとでも幸せな気持ちで死ぬことができたなら、この物語の中では幸福なほうなのかなと思いました。

レイの目だけに執着しているのはわかっているのですが、セリフだけ見ると壮絶なロリコン変態野郎ですね。

友人が「まさにcv櫻井孝宏」と言っていたのですが、そうなんですか?櫻井さんも大変だ。

 

 

【殺戮の天使】B2Fの神視点サイコパス【グレイ】

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前書きでも書きましたが、私はまともなので、グレイのことはマジで1ミリも理解できていません。シンプルに頭おかしくないですか???????

自分の理想のためには手段を選ばないし、世界を俯瞰して見た上で自分が道徳だと思っているタイプですかね?ダニカスと違って自分本位という訳でも、わかりやすく自己陶酔しているわけでもなく、真に自分が正しくて、やっていることも世界のためだと思っていて、他の人間の命に関心がない、世界観の前提があまりにも通常と異なる神視点のサイコパス。最後の最後まで何を考えているのか一切わかりませんでした。なんなら、頭が悪すぎてグレイが出てきたあたりから物語もあんまりわかっていません。

グレイの中では絶対的な世界観があり、その中に彼の基準での善悪が存在していて、それに忠実な人物なので、めちゃくちゃ頭おかしいのに紳士的に見えてしまうのが気持ち悪いポイントなのかなと思います。

全然関係ないけどどっからあんな金が出てくるんですかね。

 

【殺戮の天使】B4Fの盲目型サイコパス【エディ】

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エディは、ホラゲによくいる根本的な倫理観が狂っている天真爛漫なサイコパスでした。根本的に狂っているからこそ手のつけようがないのですが、なんか可愛いのでとても好きです。なお、ゲーム初見では、エディに追いかけられるところで焦りすぎて3回くらい死にました。シンプルに怖いです。

 自分の好きなものに盲目的で、暗い場所に墓を作りまくったり、ひとめぼれした女の子の墓を用意したり、わかりやすくストーカー気質だったり、欲望に忠実で、このアニメに出てくる6人のサイコパスの中では最も一般的に理解しやすいんじゃないかなと思います。コンパクトに言えば、盲目的な対象以外の性質はほとんどキモオタと同じなので、キモオタ的には理解しやすかったです。

姿が小さな男の子で本当によかった。これがおっさんだったら普通にやばいですよ。

なんでこのビルに連れてこられたのかめちゃくちゃ気になるのですが、小説版とかでは理由が明かされているのでしょうか。

死に方は普通にかわいそうでした。人を殺すのに抵抗がない時点で擁護はできないですけど、レイが死にたがってるのを知っててああいう行動に出て、結果フラれて、本人からすれば寝取られた相手に殺されるって…。

自殺者と殺された者の墓を分けていることから、レイと同じ宗教を信じていることがわかりますが、レイのように罪の意識を持たなかったところに、エディの盲目的な部分が表れているのかなと思います。

 

【殺戮の天使】B3Fの過激派サイコパス【キャシー】

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キャシーお姉さまに関しては、手段がいきすぎているサディスティック女王様という感じで、まあ人を殺すのに抵抗がない時点で普通に考えて異常ですが、このビルを外界と切り離して独自のルールがあることを勘案すると潜在的な実在性は高いんじゃないかなと思います。というか、中世のヨーロッパに確実にいた。

ほぼ不特定多数の人の苦痛を見ることが好きで、自分が絶対的な正義であり、精神攻撃やら肉体攻撃やらを遠隔でしかけてくるめちゃくちゃオーソドックスな頭脳派の悪役。絵に描いたようなサディスティックサイコパスで、正直なところ、独特な異常性は感じられませんでした。簡単に言うと典型的ないじめっ子タイプなので、嫌いな人は本当に嫌いなキャラクターだと思います。

幻覚とはいえ、魔女裁判のくだりでは性格の悪さが全面的に押しだされていてとてもおもしろかったです。平気で嘘をつくところもテンプレで、ある意味裏がなくて私は好きです。一般的にサイコパスといっておぞましく思うような、何を考えているのかわからないゆえにぞくぞくとする性質がなく、ねじ曲がった性格のキャラクターばかり出てくる「殺戮の天使」の中ではむしろ素直で好感が持てました。

なお、死に方は個人的には最も悲惨だと思います。プライドがべらぼうに高く性格の悪い悪役がプライドをへし折られながら死ぬという、死に方まで見事にテンプレなキャシーお姉さまでしたが、個人的にこういった悪役は大好きなので、ちょっと胸糞が悪かった。

本編とは関係ないですが、「殺戮の天使」の公式YouTubeアカウントでは、キャシーお姉さまがバーチャルYouTuberとして活躍していらっしゃいます。非常に気まぐれで自分勝手に「殺戮の天使」を宣伝なさっていて、とても面白いのでぜひご覧になってください。キャシーお姉さまに飼い殺されたくなること間違いなし。

 

【殺戮の天使】B6Fの快楽型サイコパス【ザック】

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ザックは、嬉しそうにしている人間を見ると殺してしまう、どこか殺人を楽しんでいる描写があるなど、快楽殺人を犯して、罪の意識をいっさい感じないタイプのサイコパスです。

B6Fにいたころは獲物を見つければ追いかけてきて追いつかれたら即死、見つからなければ(知能が低いので)割とヌルゲーという、「殺戮の天使」でいう「生贄」にとっては比較的切り抜けやすい、脱出のための実質最下層にふさわしい番人なのかなと思います。

物語が進むごとに、たぶん底の底の部分では優しい人間で、複雑な過去によってねじ曲がってしまったのだなとわかってくるキャラクターです。「殺戮の天使」の他のキャラクターのような真正のサイコパスではなく、客観的に見て同情してしまう部分もあり、優しさやかっこよさも兼ね揃えていました。嘘をつけないという点はサイコパスの定義から大きく外れているし、途中からはこの物語の主人公でした。

B5Fで衝動的にダニカスを斬ってしまうところとか、B4Fで墓をとりあえず壊しまくるところとか、B3Fで電気椅子に自ら座るところとか、原作ゲームのepisode2序盤くらいまでは印象的にマジでただの体力があるバカだったので、最後までプレイするとずいぶん印象が変わった、要するに作中での成長が甚だしいキャラクターでした。

暗殺教室」のカルマしかり、「青の祓魔師」の燐しかり、「とある魔術の禁書目録」の一方通行しかり、こういう、暴力的なのに本性がたぶん優しくて、世間一般から跳ね除けられたばかりに捻くれたかんじのキャラクターは本当に岡本さんの声が似合うと思いました。なんなら、原作ゲームをプレイした時から声がつくなら岡本さんだろうなと思っていたので、アニメ化しても本当にしっくりきました。

最後、レイを助けるために警察に投降したところは正直よくわかりません。あの後改めてレイを殺しに来たのなら、あそこで自分が捕まえられてまで彼女を助ける必要はないと思うのですが、それほど彼女の笑顔が見たかったということでしょうか。

 

【殺戮の天使】B1Fの自閉型サイコパス【レイ】

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「殺戮の天使」の中で、個人的には最も恐怖を感じたサイコパスです。感情がないように見えるために何を考えているかわからない、静かで欲求がないように見えて目的のために人を殺めようと一切罪の意識がなく、さらには対象を殺すことによって自分のものにするという行為に疑問を感じていない。神を信じていて、聖書を読んだことで罪の意識が芽生え、死にたいと考えているわりに、自分が死ぬために新たな罪を犯すことには抵抗がない、あまりにも自分勝手で残酷で、矛盾を抱えた存在です。

レイが抱えている数々の矛盾は、それも含めて彼女の性格なのか、単にキャラクターがぶれているのかよくわかりませんが、この意味の分からない存在であるレイがプレイアブルキャラクターであることで、ホラゲとしての「殺戮の天使」は数段面白くなっていたのではないかなと思います。

自分が興味のあること以外は極端にどうでもいいと思ってそう。

レイに関しては、グレイと同じく、世界観自体が独特なサイコパスなうえに、ザックと行動していくうちに多少考え方が変化していったようなので、11話くらい以降の彼女の性質は全く理解できていません。ただ、ザックのように根は優しくて、育った環境のせいでおかしくなってしまったんじゃないかとか、グレイのように絶対的な正義が自分の中で確立されているんじゃないかとか、そういうことは一切感じませんでした。

レイの声を担当しているちっすーのことは前から別作品で知っていたのですが、レイとはほぼ真逆のキャラクターを演じていらっしゃったので、全く印象の異なる声を出せることに驚きました。声優さんって凄い。

 

【殺戮の天使】最終回考察

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「殺戮の天使」の最終回に関しては、あの後レイは望み通りザックに殺されたとか、ザックと一緒に保護施設を抜け出してひっそりと暮らしているとか、いろいろな解釈の仕方があると思います。

個人的には、レイは1人で殺されてはいないのではないかなと思っています。小説版に、あの後警察が2人を探したがまだ見つかっていないという記述があるようですが、ザックの知能(脱獄したときもすぐ見つかっていた)や時間がないという言葉から考えて、ザック1人だと逃げ切ることは不可能でしょう。これまでの犯行を考えても、死体は基本放置のザックがレイの死体を隠したとは考えにくいですし、2人とも見つかっていないのであれば、レイだけを殺したというルートはないのでは、という考えです。なお、衝動的な快楽殺人を犯すザックがそれ以降一切人を殺さずに生きられたならばそれはレイの影響でしょうが、なんとなくそれも想像できないですね。レイが始末するところも想像できませんし、心中はあり得ると思います。

希望としてはレイと一緒に人を殺さず暮らしていてほしいなと思いますが、嘘をつかないザックがわざわざレイを迎えに来てまで誓いを果たさずにいますかね。ただ、ザックのレイに対する感情は相当特別なものになっていたと思うし、レイからしても、ザックの死刑判決に絶望していたようで、そこには自分が死にたいからという初期のレイの感情以外のものがあったと思いたいです。

窓の内側に血が滴っていたのは、笑顔のレイと一緒に窓から飛び降りたことと、その前に聞こえたカウンセラーの悲鳴から考えて返り血なんじゃないかと思うのですが、単純すぎる考えでしょうか。

 

フリーホラーゲーム「殺戮の天使」をぜひプレイしてみてください!

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以上、アニメ「殺戮の天使」の感想でした。小説版やコミカライズもあるようなので、いつか読んでみようかなと思います。

個人的には、アニメ版よりも原作のゲームの方が、恐ろしかったですし、いろいろと想像しがいがあって面白かったので、ぜひそちらをプレイしてみてほしいです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。